不当解雇
⬛︎解雇の制限
法は解雇について、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。判例は、「合理的な理由」について厳格に解釈しており、原則として、解雇以外の手段を尽くしても、労働契約の継続を期待できない程度の理由でなければ、認められません。
法律の要件を満たしていない解雇は無効となり、使用者は解雇から職場復帰までの期間に相当する賃金を支払わなければなりません。
⬛︎地位保全・賃金仮払いの仮処分
解雇をした労働者から、地位保全・賃金未払いの仮処分命令が申し立てられることがあります。これは、裁判に先立って、労働者が自己の利益を保全するための制度で、簡易迅速な手続きで、職場復帰・賃金の支払いを求めることができます。
仮処分命令が発せられると、労働者は裁判を経ずに、職場復帰や賃金の支払いを受けられることになり、生活への被害を軽減することができます。一方、使用者としては事実上解雇が無効になったのと同様の効果が生じるため、申立ての棄却や、命令の取消しなどを求めて、速やかな対応をとる必要があります。
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